『DOWNTOWN 81』俺は俺のラッパを吹け

『DOWNTOWN 81』珍しいバスキアの主演映画DVDをメルカリで逐一チェックし、安価で購入した時から俺の未来は決まっていた。娘はバスキアと邂逅し、俺は新たな武器を手に入れた。フィクションがフィクションに見えないのは、バスキアが普段からバスキアを演じ…

『ファーストマン』宇宙飛行士の死に様からポエトリーリーディングのダサさまで

『ファーストマン』ビリー・ザ・キッドは言った。「デブは月面着陸の時でさえポップコーンを食べる」俺は今日、目撃した。おかしくて笑ってしまった。が、月にいる間のIMAX無音状態でも図太く食い続けていた奴を、イーストウッドばりの早撃ちで仕留めた。三…

『会社物語』ハナ肇は石原裕次郎なのか

『会社物語』クレイジーキャッツ全員集合映画という安牌を市川準はバグらせて撮っている。笑 最後のクレイジーキャッツ全員集合だから、全員が歳でバグっていったのを市川準がまとめたのかもしれない。なぜならだんだんハナ肇が石原裕次郎に見えてきたという…

『バスキア10代最後の時』予想屋は競馬場で二度泣く

『バスキア 10代最後の時』元カノの力、恐るべし。独占欲も天才相手だと、果たして自分だけのコレクションにしていて良いのかという疑問を生む。そのおかげでこの映画が生まれたと俺は予想する。笑 競馬かよ。バスキアがアメフトのヘルメットを被ったポスト…

『まぼろしの市街戦』ケツの話。

『まぼろしの市街戦』ケツでオトして良いんだって気付いた時、戦争をユーモアで吹き飛ばすという行為自体が馬鹿馬鹿しく思えてきた俺は、劇場でこっそり裸になっていたような気がする。こうして主人公と近づいた時に、精神ってものは案外モロいんだってわか…

『荒野の用心棒』ああ、おまえを逃がす時。

『荒野の用心棒』女を逃がし、その旦那と子供から微妙な顔をされて、俺は物語を進行させるために少なくともお前らは助けてやったんだって空気を出しているクリント・イーストウッドを観れただけで、俺は感動していた。語らないことが男のあるべき姿ってわけ…

サスペリア 純情編

サスペリアはオリジナルの方が良いって言っているジジイは無秩序なファーストインパクトの連続に欲情し続けているせいで、ルカ版の美しさに気付けていないだけなんだろうなって思っている。サスペリアマガジンを読んでも明らかで。笑 あ、この人たちはずっと…

欧阳娜娜に惚れ狂う感想『ポリスストーリー reborn 』

『ポリスストーリー リボーン』ジャッキーの急いでるからという理由だけで行うカーアクションで爆笑していると、DCコミックの敵キャラのような奴が現れてノーカンフーでガンアクション。『ハン・ソロ』もそうだが、魅力を抑え込む時に人はガンを持つらしい。…

『ヴェノム』というより『トム・ハーディ(或いはエディ・ブロック)』

『ヴェノム』もうタイトルは『トム・ハーディ(或いはエディ・ブロック)』で良いんじゃないか(「或いは」ってタイトルに付ける人多いですけど、ここ数年で20件くらい見てますけど、あれってギャグですよね。つければそれっぽく見えるからめちゃくちゃ便利です…

『皆殺しの天使』は今

『皆殺しの天使』「NEW」や「新」とつくものが本当の意味で新しいことなどないし、それ同様「皆殺し」とつくものが本当に皆殺しであったことなどないんじゃないかなんて思ったりします。笑 もっと良いタイトルがあると思うんですけどね。『出れねえだよ』と…

『運命は踊る』ペーを振り回して。

『運命は踊る』フォックストロットは決められたステップを踏めばどのような動きをしても元の場所に戻ってくる。これを運命にはめ込んだのがこの『運命は踊る』である。気持ちよすぎるアングルと物語の構成は決められたステップに倣ってあり、どんなに暴れて…

『半分、青い』が愛は惜しみなく奪う

『半分、青い』物語上の死に魅了された(殆ど取り憑かれていた)魔女のごとき北川悦吏子が参考にしたのは、誰も死なない『あまちゃん』だったことにも明らかだが、このあえて逆をいく手法で幸せになった人は視聴者にいないだろう。笑『あまちゃん』のように小…

『さんまの「俺は裸だ」』ミスリードとオーバーアクションによる裸のランチ

『さんまの「俺は裸だ」』明石家さんまが(足の速い、よく駆け回る男として)走るシーンが『太陽にほえろ』のジーパン刑事のごとく描かれるが実際に速く見えるのは、明石家さんまがいま現在走らない(走る姿を見せない)からというのもあるだろうが(笑)、やはり…

『暗殺のオペラ』どうにかしている街ではどうにかしていることになれてしまう

『暗殺のオペラ』「まず…」構図に見惚れているとストーリーを見失うが大丈夫。最後だけ見てもわかるから。笑 「構図ぁ…」ドリーしていくとピッタリ石像に歩く主人公が隠れるってヤバいでしょう。やべえなあ、やべえなあって思っているとだいぶんストーリーが…

『愛しのアイリーン』のモザイク考

『愛しのアイリーン』誰も救えない声が聞こえる。それ自体が救いじゃないか。決してハッピーエンドではないが、登場人物は最終的に救いを得ている。この劇(的なるもの)からの退場は死ではない。表面上は死なのだが、実際に退場しているのは救われなかった者…

『大虐殺』寝ても覚めても観たらそうでも

『大虐殺』関東大震災直後と虐殺(軍人やべえなあと思わざるをえない描写ばかり)を丹念に描き、大杉栄が見せ場なく死に、中濱鉄と古田大次郎が混ざった役を天知茂(役はどうあれ、くそかっこいい)が演じ、『菊とギロチン』が参照してるであろうシーンが多々あ…

『最後まで行く』が足りない

『最後まで行く』「あーあ」と「まじかよ」しかない映画に、それ以上の言葉がいるだろうか。笑 脚本やトリックの破綻でさえ、この二言で済ませてしまえるのにめちゃくちゃ面白いのは、韓国映画特有の力技だろう。映画にはそれぞれの国のステレオタイプという…

『合葬』英詞に導かれる武士の貞操

Tumblr上の日記『オン・ザ・忘れるなよ』から2018年6月10日を。『合葬』幕末武士の青春モノに弱い俺は、この映画に人を斬るシーンがほぼないこと(有ってもそれは木刀での稽古や喧嘩)に驚き、しかしそれは白虎隊など散ってゆく隊士を題材にする際にありがちな…

世界一美しいゲロと性器のような動物『アレックス・ストレンジラブ』

アレックス・ストレンジラブというタイトルでアレックス・トゥルーラブが主人公って時点でこの映画のヤバさが伝わるはずだ。笑 人間のペニスにそっくりな見た目を持つ動物が好きなトゥルーラブには、彼女がいる。しかし気になる男の子がいる。さて、俺はどっ…

『私立探偵濱マイク 我が人生最悪の時』は今だからさあ、かんべんしてよもう

『私立探偵濱マイク 我が人生最悪の時』探偵モノは大抵牧歌的な時代に生まれて、消費されずにオールディーズになる。という稀有なジャンルである。この映画などまさしくそうで、時代錯誤を躁病的に乗り切るという、間に合わなかったことを気合いで埋める男「…

ボケかけたジジイの可愛さをウリにしたい『ラッキー』と抗うジジイ

いやー。夜通し遊んで『ハンソロ』を観てブチ上がったまま『ラッキー』観に行ったら5分で寝ました。笑 ハリー・ディーン・スタントンが歩いているところまでは覚えているのですが、そこからの記憶はあやふやで、ところどころ思い出して書こうと思ったんです…

ハンソロのシーザーに万歳(俺のようなSW初心者のアンタのために)

『ハン・ソロ』SWは『最後のジェダイ』しか観ていないし予習もしていないため、ハンソロもチューバッカ(前作では動かないぬいぐるみが出演していたくらいにしか)も何者か分からないまま見始めた男(素潜り旬)は、ジジくせえハリソンフォードよりも『ヘイル・…

『菊とギロチン』で踊り狂え

人間が踊り狂うのを見るのが好きだが、そんな場面に出くわすことなど、そうない。クラブでトランス状態に入った奴を屋内で見たことがないし(ヤバイ奴はだいたい外で音漏れを聴きながらイかれてる)、俺が見たのは野外レイヴパーティーだし。周りの景色がほと…

映画的殺しの新境地『ビューティフル・デイ』

『ビューティフル・デイ』原題は『You Were Never Really Here 』だが日本や他国では『ビューティフル・デイ』と名付けられている。映画を広めるために英語を英語で直すのは、気持ち悪いことだと思う。「この邦題をつけた人は神」だとか色々な意見があったが…

『長江 愛の詩』なぜ詩でおまえを語るのか

『長江 愛の詩』「詩以外は全て良い」長江を舞台にしたこの映画の主人公は、手に負えないほどの自然があるのに、書くのは自分のことばかり。現代の詩を書く人(今回の場合は監督)はなぜみんなこうなのかが不思議でならない。みんな自分のことばかり。自分のそ…

ハイタッチしないこと『レディプレイヤーワン』

ハイタッチは喜びを確認し合うことの表面化である。「俺は今のすっごいよかったよ!おまえも?」「うん!」これをアクションで示すのがハイタッチである。実際の感情が見えないこと、見せないことがバーチャル世界の良さなのに、それをいちいち確認してしま…

ふたりでタンゴを踊るなら単語なんていらない『ブエノスアイレス』

『ブエノスアイレス』「やり直す」とは、何をやり直すのか。わからないまま言っているふたりは、何もやり直すこともないまま、新しく始まることもないまま、旅立ったり、同じ場所にいたりする。ひとりは新しい出会いを断ち切ってまでも過去を引きずり、ひと…

『花様年華』は夢二の匂いの夢で逢えたら

『花様年華』一線を越えたかどうかを明らかにしない。ただ花のように匂わせるだけ。花は魅せることによって単純な美しさを表現することが簡単に出来るが、匂わせることは感じさせることである。花の良さは見ただけでもわかるが、匂いを感じることで味わいが…

さよならの向こう側にある美しさと、いじらしさ『欲望の翼』

『欲望の翼』物語から1度退場する時に、捨て台詞を吐いていく登場人物たちは総じて去り際が無様で。無様であることを意識させ、物語を美しくあらんとする意思を持たせている。誰に?登場人物にである。入れ替わり立ち替わる90年代スタイルは、DJ文化の興隆に…

痛みによって、ひたすらに観衆を乗せない『蒲田行進曲』

痛みによって、ひたすらに観衆を乗せない『蒲田行進曲』深作のリズム感悪さは、徹底的に登場人物を這わすことによって、セリフの抑揚を強調させるに至り、それが大味な演技と絶妙に合っている。この映画には印象に残る二曲の音楽が流れるが、一曲は萩原健一…