世界一美しいゲロと性器のような動物『アレックス・ストレンジラブ』


アレックス・ストレンジラブというタイトルでアレックス・トゥルーラブが主人公って時点でこの映画のヤバさが伝わるはずだ。笑 人間のペニスにそっくりな見た目を持つ動物が好きなトゥルーラブには、彼女がいる。しかし気になる男の子がいる。さて、俺はどっちなんだ!ゲイっぽいジョークをサイケな映像で彩るドラァグクイーン的なやり方は下手したら下品に映りかねないが、有り余るほどの若さが、瑞々しさそれをカバーしている。


「世界で一番美しいゲロ」はこの映画で見れる。カエルトリップ(中島らもの奇書『アマニタ・パンセリナ』にも出てくるアレだ。カエルを舐めたりして幻覚を得るやつ)によって芋虫に見えるカラフルグミを大量に食べた友人が吐き出すゲロを浴びるイイカンジのカップル。流れるベッドサイドミュージック。なんて美しいのだろうか。トロンとした目の俺が電車で何度もこの部分を巻き戻して観ている時、横に座っていた知的そうなギャルは俺のどこを見ていたのだろう。

同性愛をテーマにした映画には珍しく、幸せに充ちている。これは男だけの物語でも、女だけの物語でもなければ、男女の物語でもないからである。人間の物語であり、生物の物語でもある。それを俺たちが見ているだけで気付けるのは、主人公が好きなペニスのような動物や動物の交尾をサブリミナル効果と言えるほど見続けているからである。笑



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