SISTERS BROTHERSのゴールデンリバー?

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『THE SISTERS BROTHERS』


「暴力的な前口上」
この映画をゴールデン・リバーと訳すのは危うい感性してんな(可愛い犬の尻だけひたすらに舐める系かな)って思うけれど、そんなこと別にどうでもよくなるくらいの俊作。ゴールデンリバーなんてほんの些細なことじゃないか。しかも画的にも別にゴールデンじゃないし。笑 帰り際にジジイが「くだらん映画やったのお」と抜かしたが、おまえのくだらん人生とこの情緒を理解できない脳みそごとくたばってしまえ、けつの穴だけ置いていけよ。俺のサンドバッグにするから。

「歯ブラシと親殺し」
日本語では韻を踏めるこの組み合わせがブロマンスにおいて成り立つのは偶然ではないだろう。ゴールドラッシュにおけるラッシュは親の存在だ。親がいてのラッシュ。親のためのラッシュ。親がいなくてもラッシュ。親の存在はデカい。この映画はこれまでの西部劇が、ゴールドラッシュ映画が描かなかったゴールドラッシュの在り方を描いている。それは、父親、それは母親、そして父になること、皆の父になること。
ああ、
「歯を磨きなさい」
「清潔にしなさい」
親は言うだろう、いつまで経っても子どもだ。親にとってはどう歳をとっても。