赤い鳥逃げたとしても



『赤い鳥逃げた』


俺のけつの穴まで逆再生されたら、それこそ朝、困るじゃないか。原田芳雄がおどけて振る舞えば振る舞うほど、逆再生は繰り返される、執拗に。俺たちは前へすら進めないのだろうか。いや、進んでいるさ。それこそダサい、破滅に近いところまで。

赤い鳥は何処へも逃げていない。自由になってすらいない。全ては巻き戻るかのごとく、不自由に朝に、かえってくる。しかしながら、逆再生に次いで繰り返されるのは爆破である。この年代の映画における爆破は突然の終わりを意味する。笑 そこで終わりなのだ。赤い鳥は逃げていない、爆破による目に見える形で消えた。逃げたのは無軌道な若者の意志のみで、それは赤い鳥ではなく、おもちゃのようなものである。

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