『Mishima: A Life In Four Chapters』
フラッシュバックによる場面転換と組み立てられた場所で演じることに対して加速度的に観客は意識し、
三島由紀夫の小説と
三島由紀夫が同時に映像化されているために起こるズレが芸術だという一点責めの態度で映画は在る。このバランスが絶妙なため、いつまでも気付かれない名作なのだと思う。
三島由紀夫を題材にするとMishima は芸術で、三島は思想なわけで、つまり海外では芸術的な部分で評価されるけど、日本ではあくまで思想的な部分しか題材にされない。あんまり芸術的な側面は
三島由紀夫の本質的な部分であるにも関わらず、日本の映画では表現されていないってことになるけど、それは
三島由紀夫の美的感覚を
三島由紀夫へ寄らずに表現できる監督が日本にはいなかったのだろう。だからmishimaがあるし、しかない。